※2017年7月1日に施行されましたので、このページの改訂版を執筆しました。
東京都議会は3月30日に、JKビジネスを規制する条例案を可決しました。
いわゆるJKビジネスとは、女子高生が男性に個室で簡易なマッサージをしたり(JKリフレ)、女子高生に制服や水着などを着させ個室で撮影会をしたり(JK撮影会)、女子高生と一緒にお散歩したり(JKお散歩)などの営業のことです。
児童買春やストーカーなどの犯罪に18歳未満の少女らが巻き込まれてしまうという問題もあり、規制の対象になりました。
そんなJKビジネス規制が、バーや居酒屋とどのような関係にあるのかを見ていきましょう。
JKビジネス規制に関する条例
JKビジネスなどを規制する条例案の名前は、特定異性接客営業等の規制に関する条例と言います。
目的は、青少年(18歳未満の者)の健全な育成を阻害する行為及び青少年を被害者とする犯罪を防止するため、とあります。
特定異性接客営業等の規制に関する条例は大枠として、2タイプに分けて規制するようです。
以下、東京都から発表されている資料を基に、それぞれについて説明していきます。
※まだ条例案ですので、細かいことはわかってません。また、変更や追加もありえます。
・特定異性接客営業
次の要件をすべて満たす営業です。
- 専ら異性の客に接触する役務等を提供。
- 青少年が接客していることを明示等する。
- 青少年に関する性的好奇心をそそるおそれがある。
こちらがいわゆるJKビジネスとして規制されるようです。
すべてを満たすとあるので、一つでも欠けていれば規制されないとしています。
特定異性接客営業に対する規制の内容
- 届出義務
- 設置禁止区域
(例)学校等の周囲200メートルの区域内 - 禁止行為
(例)青少年を客に接する業務に従事させること。 - 広告及び宣伝の規制
- 勧誘行為等の禁止
(例)青少年に対して客となるように勧誘すること。
届出制になること、禁止区域が設定されたことなど、店舗型性風俗特殊営業とあまり変わりませんね。
この規制で重要なのは、3の青少年を客に接する業務に従事させるというところでしょう。
これで、18歳未満の女子高生は客に接する業務に従事することはできないということになります。
・特定衣類着用飲食店営業
次の要件をすべて満たす営業。
- 喫茶店等の設備を設けて客に飲食させる。
- 水着・下着を着用して接客する。
- 性的好奇心をそそるおそれがある。
こちらは、いわゆるガールズバーなどを規制するようです。
水着や下着を着用して接客するガールズ居酒屋も規制されます。
バーや居酒屋であっても、この要件をすべて満たしてしまうと規制の対象になります。
バーや居酒屋とJKビジネス規制との関係は特定衣類着用飲食店営業の規制で注意が必要ということです。
これはまだ条例案であり、水着・下着と限定して書かれていますが、今後追加さるおそれもあります。
水着・下着その他○○規則で定める衣服などとされる可能性も。
現に東京都議会議員のおときたさんのブログに写真で警視庁による条例案の概要が載っています。
文字が小さくて読みづらいと思いますので抜粋させていただきます。
設備を設けて客に飲食させる営業のうち、水着、下着、その他の公安委員会規則で定める衣服を客に接する業務に従事する者が着用することによって、客の性的好奇心をそそるおそれがあるもの。(第2条第3項)
細かいですが、「その他の」という言葉の説明もしておきます。
「A、Bその他のC」
とある場合、AとBはCの例えであり、Cに含まれるものということになります。
つまり、この条例案の場合、水着や下着は公安委員会規則で定める衣服の一部でしかないということです。
特定衣類着用飲食店営業に対する規制
- 禁止行為
(例)青少年を客に接する業務に従事させること。 - 勧誘行為等の禁止
(例)青少年に対して客となるように勧誘すること。
こちらも、18歳未満は客に接する業務に従事させることはできません。
水着や下着でなくとも、きわどい服装を従業員に着させ接客させている居酒屋などは、注意が必要になりそうです。
・指示、営業停止命令、立ち入り等
指示:届出義務違反、禁止行為違反等に対して、必要な指示をすることができる。
立ち入りの項目があることが大きな目的のような気がします。
おときたさんのブログの写真には、従業員名簿の備え付けの項目もありますから、18歳未満のものは規制対象のお店で働くことはできないように徹底する構えですね。
・罰則
届出義務違反、禁止行為違反等に対して、罰則を科す。
(例)営業停止命令に違反した者 一年以下の懲役又は100万円以下の罰金
無届出は罰せられます。
・施行期日
平成29年7月1日施行予定。
施行されるまでに、条例の内容だけでなく公安委員会規則まで把握しておく必要があります。