居酒屋やバーなどの飲食店ー不合理な労働条件の禁止

居酒屋やバーなどの飲食店において、スタッフはパートやアルバイトなどで雇うと思います。

パートやアルバイトは、一般的に有期雇用で雇うことが多いですが、この有期雇用と無期雇用で労働条件に不合理な違いがあってはならないとしています。

それでは、どのような場合不合理な違いがあるといえるのか?

判断要素や要件は何なのか?

関係する法律を基に見ていきましょう。

不合理な労働条件の禁止

関係する法律としては、労働契約法とパートタイム労働法が挙げられます。

有期雇用に対しての不合理な労働条件の禁止は、主に労働契約法で規定されています。

ですが、まずはパートタイムについて規定しているパートタイム労働法を見ていきます。

パートタイム労働法

事業主が、その雇用する短時間労働者の待遇を、当該事業所に雇用される通常の労働者の待遇と相違するものとする場合においては、当該待遇の相違は、当該短時間労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない

パートタイム労働法 第8条

短時間労働者とは、通常の労働者の一週間の所定労働時間に比べて短い者のことをいいます。

通常の労働者とは、いわゆる正規型の労働者をいい、社会通念に従い労働者の雇用形態等を総合的に判断します。

正規型の労働者がいない場合は、一週間の所定労働時間が最長で、中心的に業務に従事しているフルタイムの労働者と比べます。

事業主は、職務の内容が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一の短時間労働者(第十一条第一項において「職務内容同一短時間労働者」という。)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間におて、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるもの(次条及び同項において「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」という。)については、短時間労働者であることを理由として、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的取扱いをしてはならない。

パートタイム労働法 第9条

職務の内容が同一であり、人材活用の仕組みや運用が同一のパートタイム労働者が対象になります。

具体例としては、パートタイムも通常の労働者も転勤、職務の内容、配置が変更されないといった場合には、通常の労働者と同視すべき短時間労働者と言えます。

このパートタイムには、有期・無期労働契約の区別なく適用されます。

賃金の決定をはじめ教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他のすべての待遇
について、パートタイム労働者であることを理由に差別的に取り扱うことが禁止され
ています。

経営上の理由により解雇を行う場合には、通常の労働者と同視すべき短時間労働者について、労働時間が短いことのみをもって通常の労働者より先に解雇する場合、解雇対象者の選定基準の設定において差別的取扱いがなされていることとなり、パートタイム労働法9条違反となることもあります。

労働契約法

有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

労働契約法 第20条

パートタイム労働法が、パートタイムと通常の労働者と比べるものであったのに対して、労働契約法は有期労働契約と無期労働契約を比べるものです。

有期労働契約と無期労働契約の労働条件の相違が、職務の内容・職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理であってはならないとしています。

労働条件には、賃金・諸手当、労働時間・休日の基準など基本的な労働条件の他に、休暇、服務規律、教育訓練、安全衛生の基準、福利厚生など労働者に対する一切の待遇が含まれます。

不合理性の判断について

パートタイム労働法9条では、職務の内容が同一で人材活用の仕組みや運用が同一という、同一性が必要でした。

ですが、労働契約法では職務の内容において同一性は要件ではなく、類似性があればそれがその程度とともに考慮され得ます。

当該職務の内容及び配置の変更の範囲は、今後の見込みも含め、転勤、昇進といった人事異動や本人の役割の変化等(配置の変更を伴わない職務の内容の変更を含む。)の有無や範囲を指します。

不合理性の判断は、上記の職務の内容・職務の内容及び配置の変更の範囲、その他の事情を考慮して、有期労働契約と無期労働契約の労働条件の相違ついて、個々の労働条件ごとに判断されます。

その中でも、通勤手当、食堂の利用、安全管理などについて労働条件の相違は、上記のような要素を考慮して特段の理由がない限り、合理的であるとは認められないとしています。

不合理と認められた場合は?

不合理とされた労働条件は無効になります。

また、不法行為として損害賠償が認められることもあり得ます。

ですので、賃金について不合理と認められた場合、過去の差額賃金相当額と慰謝料の請求が認められます。

関連ページ

居酒屋やバーなどの飲食店においての雇止め

居酒屋やバー開業ー無期雇用への転換ー2018年問題

飲食店開業ー社員・アルバイトの採用時の労働契約書の重要性

居酒屋開業ー必要な許可や届出とは?

3 コメント

  1. ピンバック : 飲食店開業ー社員・アルバイトの採用時の労働契約書の重要性 – 居酒屋・バーを始める、その前に。 開業への旗印

  2. ピンバック : 居酒屋やバーなどの飲食店においての雇止め – 居酒屋・バーを始める、その前に。 開業への旗印

  3. ピンバック : 居酒屋・バーなどの飲食店開業ー社員・アルバイトの労働時間や休憩など – 居酒屋・バーを始める、その前に。 開業への旗印

コメントは閉じられています。